「あのー、フジタカと申しますが…」
「今、誰も居られませんよ!店内クリーニング中だったので…何処かで待機されてい るかと…」
「新鮮市場の方も?」
「そうですね。でも、もうすぐ戻られますよ!」
「そ、そうですか!中に入らして頂いてもいいですか?」
「え、スリッパで…」
オープン前の売り場には、何とも言えない“良い緊張感”が漂う。勿論、ユーザー側の店長様を含めた関係者は大変だと考えるし、我社スタッフをはじめとする現場側も必死であるが…ここは、富山県の(株)新鮮市場の新店、『グリーンプラザ店』のオープン前日である。元「コープ」だった場所を同社が居抜き店舗として借り、今回、リニュアールさせた。我社は、パートナーとして設計・デザイン・施工を担当させて頂いたのである。私が現場に到着したのが遅かった為、この通り誰もいない現場に一人で待つ事になった。おそらく、タイトなスケジュールだったので、今日も遅くまでかかる為、一時的に待機しているのだろう。みんなが来るまで、ゆっくり見学させてもらう。まずは、外装。元々あった2F前面アーチ部を生かす為、そこに絵を書く事を考えた。名づけて、「最初の晩餐」。夜になるほど浮き出る所がポイントで、インパクト勝負。店内への期待感を膨らます。入り口からの青果コーナーは、“新鮮市場”の売り。お馴染みのレイアウト構成で、鏡張りのいつもの平台。ご存知の様に季節の売れ筋である果物・野菜を最小SKUに絞り込み、約100尺に並べる。八百屋の考え方なので、その日に仕入れたものをその日に売り切る。だから、見切りなどを考えずに朝から“安く”売りにかかるのである。売り切れれば、そこまで。POPだけが残り、それを見たお客様は「そんなに安かったの!」と後悔する。だから、次回は朝から買いに来て頂けるのだ。これは、同社の午前中の客数を見れば理解できる。そして、この考え方は青果売り場だけでなく、生鮮全体に浸透している。昔から生鮮に定評があるのは、この思想があるからだ。加えて、ここ2〜3年は惣菜部門へ力を入れてきたので、ご覧の通りの売り場に仕上がった。ネットなどの書き込みを見ても、“惣菜”の「新鮮市場」と評判も良くなっている。対面志向でお客様との距離を近づけ、その要望を聞き続けた結果が今日の売り場を作ったと言える。これ以上MDに関しては書けないが、ガチャガチャやっている様に見えて、実に細かいコーナー造りをしている点に注目してもらいたい。さて、本題。同社の考え方は、お客様志向に立てば、売れる店の定義は「商品力」+「店舗力」だと。つまり、商品が新鮮でバリューなのは当たり前、そこに気持ち良い環境が必要と言う。例えば、ディスプレー効果。写真でも解るように、平ケースやセミ多段上部など、実に重要視している。これは、コーナーデザインの意味もあるが、これがある事によって、社員やパートの方々が積極的に“そうじ”するようになった。この効果が、大きいと言う。また内装部においても、その環境を維持する為、同じ効果があるらしい。お客様だけでなく、従業員にとっても「店舗力」が必要なのである。改めて、同社吉田社長をはじめ幹部の方々、及びスタッフの皆様に感謝致します。我々の提案に御理解を頂き、一緒に、この新店を創らせて頂いた事を。また、オープン時のテープカットの場において、我社中川専務の紹介時に、身に余るお言葉を頂いた事を。我社スタッフを可愛がって頂いた事を。とにかく、「新鮮市場」も我社も自信の店舗。また、中小SMのモデルになる店舗でもあるので、是非、御見学を。勿論、申し込みますので…次回の“フジコレ”で、写真も掲載させて頂く予定にしています。
「おい、勝手に入るな!」
「あっ、鷹野主任(金沢営業所)!それに、西村デザイナー(企画設計室)だ!あっ、仲井さん(CD本部)も!お疲れ様でした!」
「今頃来て、何だよ!また、良いトコ獲りか?」
「すばらしい出来ですね。感動しました!業者の方々も、ありがとうございました!」
「……」「……」
「おい、その子…新入社員の古田君だぞ!忘れたの?」みんな、良く頑張りました。
(M・K)
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