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アメリカ流通業視察研修報告〜担当:太田〜

「おい、太田!報告書は?」
「この出だしって…S・Rみたいですね?」
「あっ、そうだった。皆さんは、いつもの太田(@スタッフ)と思ってしまうな…今回、特別に登場して頂く太田さんは、名古屋支店の所属です。太田と書いて、“太った”と読みます。」
「読みませんよ!“おおた”です。“おおたたけろう”です。」
「みんな、わかってるよ。冗談でしょう。さて今回、君はアメリカ視察に行ったんだよね。その報告をここでしてもらうことにする。」
「はい、初めて、研修に行かせて頂きました。ありがとうございます!」
「じゃあ、始めようか!まずは…」
「ロスアンゼルスで、

1)『ホールフーズ・サンタモニカ店』に行きました。
 売場800坪位で昨年の3月にオープンした店です。同社は日本で言う生鮮3品の(特に無農薬や有機等のオーガニックにこだわった青果)の品揃えもさることながら、サラダ、ホットサラダ(メキシカン主体)、インストアベイク、寿司、丼ぶり等のデリ部門が非常に充実している。ホットサラダとスープをセルフで選んで食べてみたが、なかなか美味しかったです。また、アロマオイルやエッセンシャルオイル、栄養補助食品の品揃えも特筆に値する。これらのサプリメントやコーヒーコーナーも含めて、好みに応じたブレンドが出来る様に係員が対応していた。全体的に高級スーパーであり、健康にこだわりを持った人々が買い物に来るヘルシー志向の店であると同時に、HMRが上手く組み合わさった良い感じの店舗でした。」
「あっ、終わった?ごめん。携帯メールを打っていたよ…て、言うか、長いよ!また、日本じゃないから○○店も省略して!」

「はい、スピードアップします。次は2)『ゲルソンズ』です。 
 同社は、現在流行の青果の陳列を編み出した企業であり、高級SMの代名詞の様に言われたチェーンだが、ワイルドオーツや、ホールフーズの様な近年成長著しいチェーンと比べると、ただ高級なだけという感じがして、手詰まり感を感じる。ただ店内の配色や陳列に気を配っている事と、商品のクオリティに神経を使っている事は感じる。日本で言えば、1000万円以上の年収のある人が利用する店という感じ。こじんまりまとまっているが、店舗としてのワクワク感は少なかったです。」
「なるほど…昔のパターンってわけか!じゃあ、

 3)『ブリストルファーム』はどうだった?」
「はい、アメリカのスーパーは、どこも入口に入るとすぐ生花コーナーがレイアウトされている事が多いが、そのコーナーを過ぎるとすぐにデリのコーナーが用意されていることが、この店の性格を表わしている様ですね。青果コーナーはむしろレジ直前(最後)に配置されている。その壁上部には巨大な絵による壁画となっており、また、その他の壁面や木製什器の装飾も凝っている。ホールフーズ程ではないが、そこそこの高級感が感じられた。デリのコーナーを過ぎると魚、肉、寿司(独立したコーナー)があり、その並びにコーヒーを提供するコーナーになる。すぐその場で入れてくれて売場とは別室となった場所でカフェとして楽しめる作りになっていた。この店舗は、ちょうど道路向かいにより大衆的な『ラルフ』があり、買い物に来る客層が分かれて住み分けされていると感じた。 ただビバリーヒルズの住民層を考えると、ブリストルファームの方がよりフィットしていると思いました!」
「いいぞ!」

「次は、4)『ヘンリーズ・マーケットプレイス』です。
 サンディエゴ中心に17店舗を出店している自然食品が売りのスーパー。現在、『ワイルドオーツ』が買収してヘンリーズをモデルに新パターン店を計画しているとの事。今回、見学した店舗の中では最もインパクトがあった。壁面や什器に杉板(未塗装)のものを貼り付けそこにMEATやFISHと言った分類をペンキ書きしてあり、所々にアクセントで波板トタン(商品分類板)などに使用しており、手作り感を上手く演出している。店の一番の売りであるオーガニック野菜は店内の中央部分と奥の壁面までを占領している。店舗全体の陳列が低く、ゴンドラ部分でも1600〜1700mmの高さ位で、壁全体が見渡せる。また、包装材の紙を使った塔が店内にデコレイトされており、リサイクルに気を使っている感じも上手く演出している。これは日本のSMも見習うべきだ。」
「そう!日本のSMも見習う…このフレーズを待っていたぜ!」

「はい!次は5)『ラルフ』です。
 クローガーに買収された、ロスアンゼルス・エリアで一番シェアの高い普通の食品スーパー…」
「おい、ここはみんな知っているから、次へ!」

「は…じゃあ、6)『トレーダージューズ』はどうですか?
 300〜400坪位の割と小さな店で、オーガニック食品が多く、それはシャンプーや石けん等の雑貨品にも及ぶ。全体の80%がPBであり、(2000アイテム)全世界からおメガネにかなった食品や雑貨のメーカーと直接交渉し、PBを作らせている為、非常に収益が高いそうだ。(荒利益率45.8%)また野菜、肉、魚等はロスを低減する為か、冷凍のものが多かった。これも高荒利の秘密か? 特殊商品、オーガニック商品が多いが価格はそれほど高くはなく、HMRへの取り組みもほとんどなされていない。内装もシンプルで絵(手書き)等で雰囲気を作っている。中小企業が生きる道としては、かなり有効な手か。

そして、7)『ワイルドオーツ』です。
 約700坪シンプルで洗練された内装、同じオーガニック志向の高級店でも、ヘンリーズの手作り感とはかなり違う。自然食品を扱うチェーンとしてはホールフーズと双壁をなす。業績もまずまずな様でヘンリーズをモデルに新しい店舗を作るそうで楽しみである。このチェーンのオーガニックへのこだわりは相当なもので、牛乳や豆乳(SOYMILK)ハム等はもちろんデリコーナーの素材、例えば寿司のシャリにいたるまで全て有機食材、無農薬にこだわった素材を使用している。客層もかなりハイソサエティな感じだ。日本も10年後位には、一部のチェーンがワイルドオーツの方向に向かうような気がします。」
「おい、紙面が迫っている。急げ!ところで、

8)『ウォルマート・スーパーセンター』は?」
 「もちろん、行きましたよ。トロピカーナ・ベルトウエイSC内にある店舗でしたが、同一敷地内にスポーツデポやペッツマート、オフィスデポ等がありました。このウォルマートは最新フォーマット店で他のウォルマートより広い(約1万坪)。レイアウトはマックスバリューが、これを真似たという事が良くわかる。入るとすぐに食品ゾーンがあり、その隣に衣料、家電、生活雑貨等が並ぶ。他のスーパーの様にデリの強化や、オーガニックにこだわったという部分はほとんど無い(でも寿司コーナー有り)タダタダ安い。全てを見た訳ではないが、食品の非生鮮品は他のSMに比べても特別に安い。しかも単位が大きい。日本なら業務用スーパーサイズが標準といっても良い位で、しかもお客はそれらをまとめてカートにドカドカ入れて買っている。また腕時計などについても同一ブランドの物もアウトレットショップで見つけたが、片や59ドルと33ドルという違いがある。特にこだわらなくても良いものならウォルマートで買った方が良い買い物が出来るのは明らかだ。他のSMがオーガニックやデリに力を入れていかないと生き残れないという事が良くわかる。価格だけなら日本のベイシアやプラントも、まだまだという感じだ。店内の雰囲気は明るく広々という感じで、日本のホームセンターに雰囲気は似ている。」

「よしよし、では、9)『アルバートソンズ』は?」
「え…アルバートソンズは、高級な雰囲気の店とそうじゃない店があるそうで、地域性に合せて作り分けているようだが、今回見たのは高級な方。店内の照度も落としてあり、装飾も凝っている。ラスベガスの特徴として、ウォルマート、アルバートソンズ、ホンズ、スミス等の店が、いずれも車で5〜10分、場所によっては向い合せで出店していることで、客層も収入によって違う層がそれぞれの店を利用している。アルバートソンズは、子供を持つ親達に指示されているそうで、毎年売上げの何%かを学校の教育プログラムにバックしており、小学校などではそれで楽器やパソコン等を購入しているそうだ。FSPとは違った顧客囲い込みの方法であると、感心した。

10)いいですか?『スミス』にいきましょう!
 このお店はドラッグと食品の複合業態なのだが、同じゾーンの中にもう1件ドラッグストアの専門店があり、この辺りの競合は大丈夫か人事ながら心配になった。雰囲気は明るく広々とした感じの普通の人が普通に行くSMといった感じ。ロスアンゼルスのラルフと良く似ている。この店の特徴はセルフチェックレジで、全米でもいち早く導入したそうだ。合計4レーン有り、自分でバーコードを通して会計するが青果物等はいくらでもごまかしが出来る。店員も特にチェックしているという雰囲気ではなく、お客の良識に任せている感じだ。操作方法も1回使えばわかる良く考えられたロジックになっていた。

コメントは?聞いています?ま、いいか…11)『ボンズ』です。
 セルフレジこそ無いが、ドラッグストアを併設しておりこちらもスミスと良く似た雰囲気の店だ。ただ規模はこちらの方が大きい、1000坪以上という感じであった。この店で面白かったのが什器で、青果の島什器はプラスチック製のもので、大きさはユニットを継ぎ足していく事によって、変えることが出来るようになっている。この什器はあまり雰囲気があるとは言えないが、非常に効率は良さそうだ。日本でも作れば売れるかもしれない。またゴンドラエンドの木什器も、スペースを無駄にしない工夫がされており面白かった。店内にはスターバックスやチャイナエキスプレス(中華惣菜店)がレジアウトの所に並んでおり、日本のSSMと似たレイアウトだった。雰囲気も明るく、内装もシンプルで日本のSSMをそのまま規模だけ2倍にした様な感じでした。とりあえず、今回はここまでですが…」
「あっ、終わった?ありがとう!太田(@スタッフ)ごめん!紙面オーバーだよ!太田(名古屋支店)、もういいよ。名古屋に帰って!」
「ちょっと、最後のまとめを…」
「もういいよ…みなさんも、読み疲れているから…」
「いや、言わせてください!今回のアメリカ視察で、アメリカの流通業の方向性は大きく2つの方向に向かっている様に感じた。1つはEDLPの旗主である『ウォルマート』(99セント・ストアもこの流れか)と、もう1つは自然、有機、健康とデリに力を入れる『ホールフーズ』や『ワイルドオーツ』の流れである。これらの背景には、アメリカの世情が反映されており、いずれは(5〜10年後)日本もこの流れになると感じた。つまり医療保険制度(アメリカは全て個人負担だが、『アルバートソンズ』や『ゲルソンズ』は企業としてまかなっていたが、これを止めようとして従業員が長期間のストに突入、この期に『ホールフーズ』や『ワイルドオーツ』が台頭した)、貧富の差(今や日本も一億人総中流とは言えない)、移民の増大(アメリカではメキシカン、プエルトリカン、チャイニーズ、コリアン、日本ではタイ、フィリピーナ、ブラジリアンか?)、オーバーストア状況等々である。日本はアメリカよりこれらの現象が起きている規模は小さいが、今後はいずれも大きくなる方向であり、いずれ同じになるだろう。日本とアメリカで1つだけ日本の方が進行しているのは、高齢化の進行速度位である。5〜10年後には、現在よりもM&A、新チェーンの台頭が進むであろう事は間違いない。どのタイミングで、どんな手を打っていくか。何もしなければ消え去るのみとなっていくのではないか。店づくりの方向性ももっと考えなければならない局面に入ってきたのではないだろうかと感じました!以上です!」
「よくできました!でも、疲れた…太田って、2人ともまじめだよな。皆様、参考に なりましたでしょうか?良ければ、次回は“上海”事情でも、やりますか?」  (M・K)

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