〜 第 15 回 〜  

■『生ゴミ処理の今後の動向』

 前号において、生ゴミの処理方法について簡単に述べたが、約10年前に生ゴミ処理機に一つのブームがあった。当時は非常に多くの製造メーカーが名乗りをあげて、一時的に盛況であった。しかし、その大半は現段階で、生ゴミ処理機の事業から撤退している。その理由の多くはバクテリアを利用して生ゴミを分解するため、分解発酵による悪臭対策が難しくコストが掛かる点と、バクテリアが生き物であるため生ゴミの投入条件により調子を崩しやすく運転管理に一定の知識やノウハウが必要であるためであった。そのあたりの理解が得られないためクレームとなり、衰退していった経緯がある。もちろん仕様による微生物トラブルなどは、メーカーがユーザーに充分な指導を行っていたかどうかで、クレームの度合いも異なっていた。またブームが去った背景として、世の中の生ゴミ処分費のコストがそれほど高価ではなかった点も否定できない。

 現在、食品リサイクル法は、施行されたものの具体的な違反の規準や処分の内容にあいまいな点もあり、事業者の理解を充分に得られているとはいえない。そのためここ数年、再び生ゴミ処理機の納入実績が伸び始めている。その理由の一つとして、生ゴミ処分費の高騰が上げられる。以前は、ゴミとして一緒に焼却されていたダンボールや紙が、資源ゴミとして分けられるため焼却炉での燃焼物が減少しており、水分の多い生ゴミなどは重油などを助燃剤として必要とし、昨今の石油単価の上昇から、焼却コストが上がってきているのと、ゴミの分別化の手間が増え人件費が上がっているのが原因と思われる。また、現在残っている生ゴミ処理の方法は、一時のブームを乗り越えてノウハウを蓄積したメーカーによる指導のもとで運転されていることから、クレームが減ったことも挙げられる。微生物による分解方法以外にも、乾燥方式や脱水などで生ゴミを減らす処理方法がバリエーションとして増え、この10年でいろいろな話や経験を積んだユーザーにより選択されているのが現状だ。

 行政でも「リサイクル」を目的とした生ゴミの堆肥化が、最近では再び実施されつつある。これは他に有効な方法がなく、資源の有効活用という大義名分がある限り、生ゴミを「捨てる」のではなく再利用することが、自治体としての使命であるからだ。とはいえ、生ゴミの堆肥化は微生物分解がコスト的にも割安ではある反面、臭い対策やハエなどの衛生害虫対策など、まだまだ課題もある。今後も、取り組んでいく必要のあるテーマだが、自治体レベルで大量のゴミをまとめて収集し、ブレンドしていかないと出来上がりの堆肥の品質は安定化しないだろう。堆肥の利用用途も飼料・肥料では生ゴミに混入されている食品添加物などの濃度や人体への将来的な影響を考えていった場合、安易な利用は避けるべきである。そのため、道路や公園などの公共的な部分へ還元していくのが無難な利用用途であるだろう。このような「リサイクル」は、ここ当分の間は自治体などの公共機関が主導でなければ話は進まない。民間レベルでのゴミの減少化や、生ゴミ分解は「ゴミ捨て場所の衛生的見地や管理に掛かる人件費、そして生ゴミ自体の処分費の軽減など、コスト面でどれだけ有利になるか」、「対外的に環境に配慮する企業イメージをどれだけPRできるか」というポイントが、依然として行動動機になることは間違いないだろう。

 以上、一年半にわたり、食品製造にかかわる環境衛生の問題について一般論をまとめてきた。次回からは「Dr.エコのココだけの話」として、具体的な事例を挙げてレポートしていきたい。手始めに筆者が長年取り組んでいるオゾンによる食品衛生を実体験を元にまとめて話ていく。

第14回は

次号に続く・・・


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