〜 第 13 回 〜
■.新たな生ゴミ処理機の意義
今現在、生ゴミ処理機を取り巻く業界は、決して順風満帆とはいえない。それは過去の堆肥化タイプが悪臭や運転管理の煩雑さからユーザーに敬遠された経緯があり、マイナスイメージを受ける人が多いことが最大の理由である。なまじブームとなりリサイクルの理想に燃えて取り込んだユーザーが多かっただけに、現実のリサイクルの困難さに加えて構造的な上記の問題がマイナスイメージとなったわけである。筆者の製造している液化システムの生ゴミ処理機は、従来タイプようなリサイクルを前面に押し出した販売方法に対して、実際にリサイクルせずにただ排水するだけなので、ブームの時にはユーザーへのアピール度は低かった。しかし、実際に使用しているユーザーからは、長期に渡り故障も無く、微生物基材としてのセラミックの補充も、手間が掛からずリーズナブルである上、生ゴミを機械に投入していくだけでゴミが残らない点に好評価を頂いている。ある程度の処理量になると年々高騰する生ゴミの産廃処分費と比較しても、コスト的には生ゴミ処理機を導入した方が安価になることから、経済メリットを購入動機とされるケースも増えている。世間一般に生ゴミ処理機が下火になる中、着々と実績を伸ばしている。
前号に述べたようにリサイクルの魅力が半減した生ゴミ処理機であるが、実は、ある目的で、リサイクルとは無縁のはずの筆者の液化システムの生ゴミ処理機に注目が集まっている。京都議定書という言葉を耳にされた方も多いと思う。これは1990年の段階のCO2発生量に対して、本年2008年から2012年の間に、最低5%分のCO2を削減しようという試みであり、わが国はこの議定書の決定国である点から、現在真剣に取り組んでいる。これは食品リサイクル法よりも大きな枠組みの活動である。折りしも最近の急激な化石燃料の価格の大幅な上昇により、化石燃料に限りがある事が現実化してきた。電気やガスを始め、限りあるエネルギーへの意識や資源の節約においても、結果的にCO2ガスの削減活動が、資源節約に繋がるという考えが浸透して社会的な動きとなっている。そこで生ゴミの処理問題である。生ゴミをそのまま産廃に出すということは、焼却炉での化石燃料の消費や焼却によるCO2の発生を引き起こす。特に資源ごみとして新聞やダンボールなどの古紙が分別されて再利用されるため、焼却炉において水分を含んだ生ゴミは燃えにくい存在であり、燃焼の補助として化石燃料を余計に必要とする。しかも、燃焼時にCO2を発生させることになる。また、生ゴミを産廃として業者に委託するということは運搬のためのトラックの化石燃料の消費や排気ガスによるCO2の発生を招くわけで、生ゴミを処理せずに産廃に出すということは、毎日大量のCO2を発生させることに繋がることに気がついた企業が増えてきた。筆者の液化システムの場合、リサイクルは出来ない。その代り、従来の生ゴミ処理機の問題であった悪臭問題と微生物基材の頻繁な交換を解決した上で、CO2削減にも効果がある点が注目されている。最近では、生ゴミ処理機導入により産廃処分費が安くなるメリットだけではなく、生ゴミ処理機導入で生ゴミを産廃に出さないというだけで、目に見えてCO2削減効果が挙がることから、環境問題に取り組み社会貢献できることが企業のイメージアップに繋がる点を、導入の動機として挙げるユーザーが増えている。企業の製品製造に必要なエネルギーを削減してCO2を減らすことは大変であり、そのシステム構築には設備の買い替えなど多大な経費を必要とする。しかし、発生する生ゴミを産廃に出さないだけで確実にCO2削減が可能となる点については企業としてコストパフォーマンスが高いため、今後の新たな生ゴミ処理機の意義として浸透していくことであろう。
第十二回は
次号に続く・・・
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